台湾の女優、林依晨 Ariel Linが最近大陸のドラマに出たらしいというので、《老男孩》第1,2話を見てみた。相変わらずの美人。《我可能不會愛你》から髪が短くなったくらいで、それほど変わっていない。
このドラマは2018年3月4日~31日まで湖南衛視で毎日放送されたそうだ。なかなか高視聴率だったようで、話題になっている。
このドラマの主演男優は、1998年の中国映画『山の郵便配達(原題:那山、那人、那狗)』でデビューした劉燁Liu Yeだ。20歳の若者だったのに、40歳になっている。相変わらず整った顔立ちではあるが、少し貫禄がついてきている。そう言えば、2008年の香港映画《保持通話》でも見かけた。
『山の郵便配達』と言えば、貴州かどこかの山の中が舞台だったのに、主演の数名だけとってもきれいな顔立ちの上、美しい北京語を話していて、おかしいやろ! と突っ込みたくなったのを覚えている。
中国のドラマを見るのはものすごく久しぶりだ。やはり北京語特有の巻き舌音について行けない。字幕を読むスピードも落ちているので、理解できないまま話が進んでいくこともちらほら。さらに聞きなれない言い回しが多くてやっぱり台湾ドラマとはだいぶちがうと実感。
でも、以前大陸のドラマはかなり高い確率でアフレコ吹き替え(本人の声のこともあるが、声優の吹き替えのこともある)で、不自然極まりなかったが、今回はそういう違和感はなかった。
監督が台湾人だからかもしれない。監督は劉俊傑。《無敵珊寶妹》2008《福氣又安康》2009《偷心大聖PS男》2010《兩個爸爸》2013など台湾で数々のヒットを飛ばしている。
さて、第1話の舞台はオーストラリア。レンタカーが同じ車種で、林依晨が彼氏の車と間違えて、劉燁の車に乗ってしまうところから話が始まる。
しかし、コンビニに入るのに車ロックしないで行くか? と思わず突っ込んでしまう。
そして、70年代生まれ(七〇后:劉燁)対90年代生まれ(九〇后:林依晨)でののしり合う場面があった。「九〇后(ジウリンホウ)は彼氏の電話番号も覚えていない」と七〇后(チーリンホウ)があきれるのである。その言い分はなかなか妥当だと思うが、九〇后:林依晨には違和感が満開。劉燁は確かに1978年生まれだが、林依晨は1982年生まれだ。4歳しかちがわないのにちょっと無理がないか。確かに若く見えるが。
しかも、台湾の1980年代生まれなら「草莓族(いちご族)」だ。表面はきれいだが、とっても傷つきやすく圧力に弱い若者のことをイチゴ世代と呼んだ。林依晨がそれだというならまだ納得が行くのだが。まあ、ドラマの中の役柄では台湾人じゃないのだから、仕方あるまい。
この世代対立には「学雷峰」がどうとか言う下りもあり、林依晨を台湾人だと思うからか違和感を感じずにはいられない。
林依晨が大陸のバラエティー番組に出て、「台湾から来ました」と言っただけで、「台湾の前に中国をつけて『中国台湾』と言え」とバッシングされたらしい。こうやって、台湾の俳優たちは大陸の洗礼を受けるわけか。
だが、このドラマ自体はけっこう楽しめそう。役名はまだ把握していないので、役者の名前で失礼するが、あちこちにこれからの展開が期待される種が蒔かれている。上海で教師をしている林依晨にはオーストラリアから帰国する気のない彼氏がいること。国際線パイロットの劉燁には別れた妻がいて、今の段階では全く再婚する気がないらしいこと。本人は知らない息子がいそうなこと。
これからの展開が楽しみだ~。でも、あと3日で新学期が始まることだし、あまり根を詰め過ぎないように見て行こうと思う。
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